設立時の資本金はいくらにすべきか!最低と最高

2017年 11月28日

会社の設立を考えたときに困るのが、資本金をいくらにしたら良いかということです。
会社法上は、資本金1円でも株式会社が作れるようになりました。
しかし、資本金1円で設立している会社は少ないのが実情です。
資本金が少なくても設立後の資金に困りそうだし、実は、多ければ多いほど必ず良くというものでもありません。
ここでは、設立時にどれくらいの資本金を用意すべきか確認しましょう。

資本金は最低どれぐらい用意したら良いか

一般的には資本金は最低、設立費用+設立後2~3か月分の運転資金ぐらいの金額が必要といわれています。
会社の設立には少なくとも20万から25万円ほどかかります(株式会社の場合)。
それ以外に役員や従業員の給料、事務所の家賃、仕入代金などの運転資金が2~3か月分必要です。

例えば、役員や従業員の1か月の給料が合計50万円、事務所の1か月の家賃10万円、仕入代金が月100万円とします。1か月160万円×3か月=480万円、設立費用と足して500万円前後が設立直後から必要になります。
設立当初は給与や、家賃を抑えても設立費用は必ずかかるため、あまりに低すぎる資本金ではすぐに運転資金がショートしてしまうのがお分かりいただけるでしょう。

資本金の上限はどれぐらいにしたらいいのか

先ほど、資本金が少なすぎることは問題であることを確認しました。
では、用意できるなら可能な限り資本金を多くしたほうが良いのでしょうか。
確かに、資本金が多い方が対外的な信用が高く、他社との取引がしやすい、融資が受けやすいなどのメリットがあります。
しかし、資本金を多くする必要性がなければ1,000万円未満にしたほうが税金の面からは有利です。

まず消費税の面で有利になります。会社は基準期間(通常は2年前)の課税売上高が1,000万円を超えた場合、消費税の課税事業者になります。ただ、会社を設立当初は基準期間がありませんので、基準期間がない間は、資本金が1,000万円以上かどうかで納税義務の有無を判断し、1,000万円以上の場合は、消費税の課税事業者となるからです。
つまり資本金を1,000万円未満にすることで、最大で2年間は消費税の納税義務が免除されます。

また、法人住民税の面からも有利です。
会社には、通常、赤字でも支払わなければならない法人住民税の均等割額というものがあります。
この均等割額は、資本金の額や従業員数に応じて増加します。
たとえば、東京23区に本店のみがある会社(従業員50人以下)の均等割額は、資本金1,000万円以下の場合は7万円、資本金1,000万円超1億円以下の場合は18万円となります。
このように、資本金は1,000万円に達しない範囲内にすることで、消費税や均等割額の負担を減らすことが可能です。

まとめ

資本金は会社設立後の運転資金となります。
また、対外的な信用にも影響しますので極端に少ない金額はオススメできません。
また、金額によって税金にも影響を与えるので、設立の段階で専門家に相談するなどして資本金の金額を慎重に考えて決めるのが良いでしょう。

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