2022年 11月17日
令和5年10月開始のインボイス制度は、現在課税事業者であっても「適格請求書発行事業者」の登録を行わないと、適格請求書を発行することができません。
この登録申請は郵送・e-Taxのどちらでも行えます。また、税理士が代理送信を行うこともできます。令和5年3月31日までに登録申請書を提出すれば、インボイス制度開始の令和5年10月1日が「登録日」とみなされ、同日より適格請求書が発行可能です。
令和5年3月31日までに登録申請書が提出できなかったことにつき「困難な事情」がある場合は、令和5年9月30日までに「困難な事情」を記載して提出し、登録を受けたときは、令和5年10月1日に登録を受けたこととみなされます。この「困難な事情」の記載がない登録申請書を提出してしまうと、登録日が令和5年10月2日以後となる可能性があるので注意が必要です。ちなみに、「困難な事情」については「困難の度合いは問わない」とされており、「うっかり提出を忘れていた」等、正直に事情を書いても許される模様です。
「困難な事情」の記載がない登録申請書を提出して、令和5年10月2日以後に登録を受けた場合は、登録を受けた日より適格請求書が発行できるようになります。
令和5年10月1日以後については、登録申請書を提出した日が登録日となるわけではなく、国税庁が適格請求書発行事業者であると登録した日が登録日です。
令和4年9月末に公表された「登録申請書」を提出してから登録通知までの期間は、e-Taxの場合で約3週間、書面提出の場合約1か月半とされています。もし令和5年9月30月までに登録をしなかったら、登録通知が来るまで適格請求書が発行できないわけですから、10月初頭から3週間前後の請求書については、取引先の仕入税額控除のために、請求書を遅れて発行する等の対処が必要になる可能性があります。
適格請求書でなくても一定割合を仕入税額控除にしてくれる経過期間がある免税事業者とは違い、現行課税事業者である場合は消費税制度に変更はなく、損得の判断をする必要がないので、うっかり忘れる前に事業者登録をしておきましょう。