2022年 10月24日
小麦などの原材料価格や、エネルギー価格などの値上がり、円安による輸入物価の上昇が複合的に重なり、この秋(10月1日を筆頭として)に値上げラッシュが続いています。値上げ前に買い込んで貯蔵しておくにも、かさばるものや賞味期限があるものは、制限があります。大量購入で安くなるところを探すか、消費量を節約するかといった方法もありますが、限度があります。
値上げが反映されていない(=値上げ時期が遅れている)ところがあればそこから賢く調達できます。日々の仕入れで価格変動の反映が機動的なスーパーなどは値上げがすぐに実施されるでしょうが、どこか価格への反映のタイミングが遅いところはないでしょうか。
予算と会計年度が4月から翌3月と決まっている自治体では反映のタイミングが遅れそうです。10月1日の前後で、値上げされた商品が、ふるさと納税の返礼品でもその寄附額が引き上げられているのかどうか、いくつかの自治体の返礼品設定金額を観察してみました。
品種によって価格の違いがある小麦粉などではなく、価格比較のわかりやすいビール(350mℓ24缶-多くの自治体で15,000円の寄附金で選べた返礼品)で調査しました。
ビール類はオープン価格ですが、10月1日から6~10%の上昇が見込まれていました。これに連動するとすれば、寄附金設定額も15,900円~16,500円となり、新規設定は16,000円程度と予想されました。
10月になっていくつかの自治体を調べてみたところ、15,000円で据え置きのままのところと、予想通り16,000円に改定されている自治体がありました。予算時期に合わせて値上げの反映が遅れる自治体があるという予想は当たっていました。ただし、10月中旬時点で日を追うごとに金額改訂の自治体が増えています。3月を待たずに切り替わってしまう可能性も大です。
この観察から学べたことは、「物価上昇に連動してふるさと納税返礼品寄附額も変動するが、少し遅れる自治体もある」ということです。例年、ふるさと納税の寄附は年間の課税額が年末調整で確定してから駆け込みでという方が多いと思いますが、2022年は、世の中の物価上昇の流れを読んで流動的に動くことをお勧めします。