2022年 07月27日
「そうめん」が美味しい季節になりました。産地それぞれの原料や製法も異なり、食べ比べるのも愉しいものです。
有名な手延べ素麺の「揖保乃糸」を食べることがあれば、袋の裏側を見て下さい。製造元が「兵庫県手延素麺協同組合」と記されています。実は「揖保乃糸」は、すべて、この協同組合の組合員(約400名)により製造されているそうです。
この協同組合では、原材料(小麦粉、食塩、食用油)や資材(木箱)を共同購入して組合員に供給し、組合員は、製造した素麺を協同組合に納品しています。いわゆる製造委託の形態ですが、製造から販売まで、協同組合側で品質管理を徹底し、伝統的な製法を守っていることが特徴です。
もともと、この地域で作られる播州素麺には600年の歴史があり、江戸時代の頃から、索麺屋仲間が集まり品質の取り決めなどを行っていたそうです。
協同組合の目的は、「相互扶助」の精神に基づき、組合員との取引をベースとして、組合員の経済的地位の向上を図るものとされています。一般の会社のように、自己の利益を追求することを第一とはしていません。そのため、会計も一般的な会社とは異なった特徴をもっています。
〈協同組合会計の特徴〉
① 応益負担の原則
② 予算会計制度
③ 組合員持分会計
④ 事業別区分損益計算
組合の指導機関である全国中小企業団体中央会が公表している「中小企業等協同組合会計基準」に準拠すれば、公正妥当な会計処理として認められます。
協同組合の税務を見ると、普通法人の中小法人と同様に、法人税率は19%(所得800万円以下15%)とされ、欠損金の繰越控除について、所得金額の100%まで損金に算入することができます。
協同組合に特徴的な制度としては、①事業分量配当(組合員に対する、組合事業の利用分量に応じた分配金)の損金算入ができること、②連合会への普通出資に係る配当については、出資比率にかかわらず益金不算入割合は50%などが挙げられます。