2022年 06月28日
「返礼品の代わりにキャッシュがもらえる」と謳って鳴り物入りでリリースされたしくみが、各所の批判を受けて、あえなく2日で終了してしまいました。
“各自治体に直接寄附してポータルサイトの手数料の削減を目指す”としていた運用のしくみが、どこまで確立されていたのかは不明ですが、失敗の原因は、自分たちの稼ぐ方法を美化して、表面のみを取り繕おうとしたことかと思われます。
ふるさと納税返礼品の送付先は寄附者の住所でなくともよいとされています。これにより、親や知り合いへのプレゼントとして送付先を指定することもできています。これをうまく使えると踏んだのでしょう。
「寄附者が返礼品送付先を業者宛にし→業者は返礼品を第三者に転売してお金を稼ぎ→経費(送料等)と手数料(これがこの業者の儲け)を差し引いて→寄附者に残金(キャッシュ)を送金する」がこのしくみです。
違法ではありませんが、制度の趣旨に反すると批判されました。実情は、「寄附者が自らフリマアプリで転売してお金を得る行為を代行する」転売サポート業者です。この業者が、寄附行為に介在せずに、転売行為の仲介のみに徹していたら、また展開が変わっていたかもしれません。
返礼品を転売して現金化すると、どのような課税関係となるのでしょうか。
転売で獲得した収入は、一般的には雑所得として課税対象となります。寄附金のお礼としてタダで貰った返礼品ですから、転売収入に対する経費もゼロとなり、転売収入全額が課税対象となります。
「返礼品の代わりにキャッシュがもらえる」場合も、その受け取ったキャッシュ全額が利益とみなされて課税対象になるものと考えられます。
また、ふるさと納税の寄附の際の、ポイントサイトを経由する申込でもらえるポイントやクレジットカード利用でのポイント付与も、申告不要となるか申告しなければならなくなるかは個々人の状況で変わってきますが、すべて課税の対象となります。
なお、ふるさと納税の返礼品は一時所得であるとされています。一時所得には50万円の特別控除がありますので、ほとんどの場合、課税関係なし(申告省略)で済んでいます。