2021年 05月06日
デューデリジェンスとは、M&Aでの買収監査のことで、買収対象企業やその事業に関する情報を収集、分析及び検討する手続きです。経営、法務、財務、人事、IT、税務、その他の観点から行われ、M&Aでの信頼性、対価・取引条件の適正性、リスクの洗い出し、などを行い、M&Aの最終判断へのゴーサインを担保するために実行されます。
デューデリジェンスが行われても、将来事項であるリスクがすべて解明されるわけではありません。
それで、M&Aの契約時には売り主が買い主に対し、財務や法務で虚偽事項がないことを表明し保証するのが一般的です。
それでも、リスクの顕在化を回避できず、紛争になったり、財産的損害が生じたりすることがあります。
また、最近は、保険会社がM&A保険の商品化に積極的になっています。
売り手に表明保証違反があった時に買い手が被る損害を補償する保険とか、買い主から契約違反などで補償を請求された場合に売り手が被る損害を補償する保険とか、目にするようになっています。
そして最後に、買収会社の株式の価格の低落による損失に備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できることとする、というリスク緩和税制が登場します。
M&Aを国策とする上で、リスク管理を税制としても取り組んでおきたい、ということで今年の税制改正で創設されました。
ただし、この準備金は、積み立て後5年を経過し事業年度以降5年間で準備金残高の均等額を取り崩して、益金算入します。
ちなみに、この税制の適用を受けるには、
中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けていなければならず、その対象となるその株式等の取得価額が10億円以下という要件があります。