2020年 11月10日
会社の事業の儲けは基本的に利益です。しかし利益が出たからといってその分お金が増えているかというと、そうでもない場合があります。というよりもそうでもない場合の方が多いかと思います。
そういった状況が「勘定合って銭足らず」です。原因は多岐にわたりますが、設備投資等大きな投資をしたような場合は、原因がはっきりしているので、多くの場合経営者は自覚的で特に問題にはなりません。原因が分からない場合が問題です。
①在庫が異常に増えている場合
②売掛金や受取手形等の売掛債権が異常に増加している場合
③買掛金や支払手形等の買掛債務が異常に減少している場合
このような場合、要は儲かった銭が在庫や債権債務に姿を変えているということです。決算書を注意して見ればある程度分かります。経営者としては、当然の注意義務です。また経験の長い経営者なら「おや?」と気が付くものです。
慢性的に銭足らずの場合があります。どういう場合かというと、借金を返済している場合です。設備投資等大型の投資を借入金でまかない、その返済をしているような場合は、往々にして「勘定合って銭足らず」となっている場合があります。
要は借金の返済をするには儲けが少なすぎるという場合です。
税引き後利益と減価償却費の合計から年間の返済金額を引いてみてください。また配当などをしている場合は、その分もマイナスしてください。結果がマイナスであればその金額を65%で割り返した金額分利益が不足しています。毎年銭足らずとなります。逆にプラスであればその分資金は増えているはずです。
税引後利益が分からない場合、安全を考えて利益の65%としてみてください。