休職時の社会保険料の労使負担は?

2023年 01月30日

社員が病気やけがで休職した時

 従業員が病気やけがで労働の提供が難しくなった時休職にすることがあります。最近では精神疾患を発症して休職をするケースが増えています。
 休職制度は労働基準法上絶対に設けなければならないものではありませんが、設けていなければ従業員がけがや病気になり、それが一定程度長期にわたるときは会社としてどのように休んでもらうかを決めておかないと困った事態になってしまいます。期間はいつまでか、休職を認める条件とは何か、復帰の条件や届け出についてなど、就業規則に規定しておくとトラブルが回避できるでしょう。

休職期間中の社会保険料の負担について

 休職中は給与の支払いは原則として必要ありませんが、休職中でも社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は免除されませんので、従業員負担分・事業主負担分ともに保険料を納めることになります(産前産後、育児休業期間中は労使とも保険料免除制度があります)。休職している従業員から自己負担分を徴収する必要があります。
 休職期間中にも給与を支払っている会社なら控除はできますが、そのような会社は限られています。一般的には休職期間中の給与支払いがないので、従業員からの保険料の徴収方法を具体的に決めておくことがいいでしょう。休職に入る際には本人によく説明しておきましょう

社会保険料の徴収方法

①休職中の社員が傷病手当金の対象者であるなら傷病手当金をいったん会社が受領し、社会保険料控除後に本人に支払う。この場合は傷病手当金申請書の受け取り代理人の欄に記載し本人の同意が必要です。
②休職している従業員に毎月、社会保険料の請求書を出し期限を定めて会社に支払ってもらう。
③会社が立替えて支払い復職後に徴収する。
④復職後の賞与で相殺する。
⑤退職金支給対象者なら退職金で相殺する。
 ③~⑤の方法は復職できない場合や退職した場合は相殺できないことがあります。②の方法が適当でしょう。会社は労力がかかりますが、ルールを決めて金銭トラブルにならないようにしましょう。