2022年 10月11日
年次有給休暇は、雇い入れ6か月継続勤務後を基準日として8割以上出勤で付与され、以後1年ごとに与えられます。入社日が違えば基準日も異なり付与日や残日数管理が複雑なため、一律の基準日を定め付与する斉一的取り扱いも認められています。斉一的取り扱い導入時では全労働日の8割以上出勤の要件は、切り上げ方式で、短縮された期間は全期間出勤とみなします。
次年度以降の付与日については、初年度の付与日を法定の基準日を繰り上げた期間と同じか、又はそれ以上の期間法定の基準日から繰り上げます。
パートタイマーである方が正社員転換をした場合の有休休暇の付与の扱いはどうなるのでしょうか?
正社員に変わった時点ではすでに付与されている有給休暇の日数がそのまま引き継がれ、正社員としての1日の所定労働時間分の休暇が与えられます。また、その後の付与日にはパート社員として採用された日から通算した勤続年数を基に付与されます。
逆に、正社員からパート社員になった場合でもすでに付与されている有給休暇はそのまま引き継がれます。
パートには付与日を法律通りに付与し、正社員には一斉に年休付与を行う斉一的取り扱いをしている場合、転換する少し前にパートとして年休付与されたばかりの方が、正社員になり、転換後すぐに基準日を迎えても年休付与をするべきでしょうか?
結論から言うと転換してすぐに基準日が来たとしても付与が必要です。
斉一的取り扱いを導入した場合、基準日までの期間の長短は考慮されません。入社日で付与までの期間が変わり、不公平な面も発生しますが、事務管理の観点からはやむを得ないものと考えられます。不公平感を少しでも緩和できるのは半年ごとの基準日方式で付与するやり方です。しかし完全には公平になりません。企業の割り切りと事務量で選択することになります。最近はシステムで年休管理することもできます。