2022年 07月12日
近年、老後資金への関心から、iDeCo(個人型確定拠出年金)等の私的年金の流行が起こりました。「年金」といっても、数多くの種類があり、混同しがちです。所得金額算出の観点から分けて確認してみましょう。
公的年金等は、年金の収入金額から「公的年金等控除額」を差し引いて所得金額を計算します。この雑所得となる公的年金は、
①国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
②過去の勤務により会社などから支払われる年金
③外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で①に掲げる法律の規定による社会保険または共済制度に類するもの
と規定されています。
「公的」と名がついているので企業年金は異なると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、企業年金も年払いで受け取る場合は、公的年金等控除が適用される年金です。
公的年金等控除が適用される年金を例示すると、基礎(国民)年金・厚生年金・企業年金・国民年金基金・確定拠出年金等です。ただし、企業型確定拠出年金やiDeCo、一部の企業年金等は、「年金として受け取る(公的年金等控除適用)」か「退職所得として一時金で受け取る(退職所得控除適用)」かの選択が可能です。税額や健康保険料に鑑みると有利不利があるので、他の退職金や年金の有無、その他の収入見込みやライフプランを考慮する必要があります。
病気やケガで障害が残った場合などに支給される「障害年金」や、国民年金・厚生年金の被保険者が亡くなった場合に、その人に生計を維持されていた人に支払われる「遺族年金」は非課税所得です。
個人年金保険の年金については、公的年金等控除が適用されません。所得区分は公的年金と同じ「雑所得」ですが、確定申告書上で記載すべき欄は「公的年金等」ではなく「その他」の雑所得となります。
個人年金の所得金額は、その年に受け取った金額から積み立てた額を引いた額です。