2022年 06月08日
ローン返済の利息の支払額よりも控除額が多い状態、逆ザヤ状態が会計検査院の指摘で問題視されていました。消費税率10%引上げに伴う措置期間も終了でした。
それらへの対応として、控除率が1%から0.7%に減少となり、所得要件も3000万円以下から2000万円以下となり、控除対象年末借入金残高限度額も4000万円から2000万円(新築等で2023年末入居までなら3000万円)に縮減となり、控除期間13年も10年(新築等で令和5年末入居までなら13年)に短縮となりました。
しかし、これらの縮減の例外があります。
2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指すため、省エネ性能の高い認定住宅の新築等に限り、住宅ローン控除の借入限度額を、令和5年末入居までなら5000万円(エネルギー消費性能向上住宅については4500万円又は4000万円)に増額、令和7年末入居までだと4500万円(エネルギー消費性能向上住宅については3500万円又は3000万円)に増額、控除期間も13年とされます。
昨年の住宅ローン控除関係の改正税法は、コロナ税特法で立法されています。そこでは、令和3年9月30日までに契約した新築注文住宅、令和3年11月30日までに契約した分譲住宅・中古住宅の取得と増改築等、これらを令和4年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合には、縮減前の昨年の制度がそのまま適用になります。
今年の税制改正大綱の中に、合計所得金額1000万円以下の者に限り床面積要件を40㎡に緩和する、と書かれています。しかし、昨年の税制改正大綱にも、合計所得金額1000万円以下の者については床面積40㎡から50㎡までの住宅も対象とする特例措置を講ずる、と書かれています。
床面積要件の緩和は、既に昨年に措置済みのことなのに、少し変ですね。
これは、昨年は特別にコロナ税特法での措置としたが、今年は通常通りの租税特別措置法での措置として新設立法としたことの意味のようです。ただ、両規定で期間がかぶっているところがあるので、上記の「非縮減その2」が生じているわけです。