2022年 06月06日
2021(令和3)年10月から、医療機関・薬局でマイナンバーカードの健康保険証としての活用が開始されました。医療機関の2割弱で既に導入されているようです。
マイナンバーカードを健康保険証として利用すると診療報酬が加算され、診察料や調剤料が高くなることをご存じですか?
2022(令和4)年の診療報酬改定に「電子的保険医療情報活用加算」が新設され、医療機関や調剤薬局で、マイナンバーカードを使って顔認証付きカードリーダーで資格確認を行った患者は、自己負担3割の場合で、初診21円、再診12円、調剤9円の新たな負担が生じることになりました。
マイナンバーカードの利用により診療報酬が加算されることについて、「マイナンバーカード利用で診察料が高くなるのはおかしい」、「従来の保険証を提示した方が安くなるなら、マイナンバーカードは使わない」といった不満の声が出ていました。
当該加算は、カードリーダーなどのオンライン機器設置を医療機関や調剤薬局に促し、(患者同意が前提で)過去に処方された薬の情報を医療機関で共有するなどの目的での加算でした。
しかし、患者負担が増えるのでは、マイナンバーカードの普及促進と矛盾しているのではないかと思います。
政府はマイナンバーカードの健康保険証利用による診療報酬加算について、廃止を含めた見直しを検討しているようですので、今後の動向が注目されます。
一方、政府はマイナンバー保険証の普及に向け、従来の保険証を原則廃止する方向で検討に入ったようです。
マイナンバーカードの保険証活用導入前から、健康保険証の廃止は検討されていましたが、国民健康保険(各自治体)、健康保険組合、協会けんぽなど保険者が多数存在しますので、完全廃止までには相当時間が掛かるものと思われます。