2021年 12月15日
法律上には規定がありませんが、提出期限内に内容を変更した申告書の複数回提出は認められています。これを訂正申告といい、通達では、最後に提出された訂正申告書をもって正式な申告書とする、としています。当局は、訂正申告を、申告書の事実上の差替え行為だと解釈しているようです。
訂正申告では、申告書の上部に「訂正申告」とのメモを記載するとか、提出済みの申告書の収受印のあるページのコピーを添付するとかの配慮も要請されています。
訂正申告はe-Taxの電子申告の場合にも、認められています。期限内に、異なる申告内容の「再送信」によって訂正申告をします。再送信での訂正申告である旨の申し出は不要です。訂正申告の際は、異なる内容の帳票のみでなく、全ての帳票を再送信します。再送信は、自主申告納税者、代理送信税理士、他の代理送信税理士の誰でも可能です。回数に制限はなく、最後に提出したものが正規の申告書として扱われます。
確定申告書の提出とは別の添付書類の追加提出とか、税額や繰越欠損金に影響のない別表や明細書の追加・差替えのための提出とかも、電子申告e-Taxに於いて、「追加送信」として認められています。追加送信は、一度送信した申告等データに対してPDFイメージデータや別表及び付表等を追加して送信する機能です。「申告書等送信票(兼送付書)」への入力をして送信します。追加送信方式で送信できる回数は、1つの申告等送信データにつき、現在のところ10回とされています。
税理士代理送信での電子申告に係る追加送信は、当該税理士及び委任した納税者の何れも可能ですが、他の税理士は送信不可です。電子証明書を有する納税者が自主申告送信した場合には、代理送信可能な税理士も、追加送信不可です。追加送信は、メッセージボックスに格納された「受信通知」の「追加送信」ボタンから送信する為です。
再送信・追加送信機能の意味は、eLTax地方税電子申告でも、同じですが、追加送信は、eLTaxでは999回まで可能となっています。なお、追加送信への取扱いは提出先の地方自治体の判断により異なる場合があります。