ふるさと納税で注意するべき
今年の控除上限金額の計算

2021年 11月25日

そろそろふるさと納税の季節です

 これから年末にかけてが、ふるさと納税のシーズンです。
ふるさと納税は、通年寄附ができるのですが、自己負担が2,000円で済む、いわゆる「控除上限金額」が、今年1~12月の所得や控除で決まるため、年末に今年の状況を把握して寄附する方が多く、ふるさと納税を受け付けている自治体・代行業者が広告を打つ数も増えるため、駆け込み需要も巻き込んで年末に活況となります。
今年途中で転職・退職した方や、不動産所得や事業所得がある方、株や不動産の譲渡があった方等は、去年の確定申告書等の数字で控除上限金額を算出すると、実際の金額との乖離が出てしまう可能性がありますので、注意が必要です。

退職した際は要注意

 退職所得は残念ながら、ふるさと納税の計算には入りません。ただし、退職金を年金払いで貰う場合、その年ごとに支払われる年金はふるさと納税の計算に入ります。
年の途中に退職された場合は、去年と比べると給与収入は下がっているはずですから、ふるさと納税の控除上限金額も下がります。
事業・不動産の所得金額を仮決算
ふるさと納税の控除上限金額は、大まかに言うと来年6月から徴収される住民税の大小によって決まります。事業や不動産収入がある方は、給与収入のみの方と比べると、経費や減価償却費、固定資産税等を引いた後の所得金額が年によって変動しやすいため、ふるさと納税の控除上限金額が把握しにくくなります。このあたりは年末までに仮決算を組み、所得を予想して対処するしかありません。

特定口座源泉徴収ありの譲渡益に注意

 株式の譲渡益も、ふるさと納税の控除上限金額の計算に利用できますが、特定口座源泉徴収ありの場合、内容を確定申告しないとふるさと納税に利用できません。
 ただし、確定申告に出してしまうと、国民健康保険加入の場合は保険料が上がってしまったり、配偶者控除や基礎控除の減少・消失が発生したりと、デメリットも存在するので注意が必要です。ふるさと納税の控除上限金額の増加で貰えるお礼の品の価値と、保険料や税金の増加の額を鑑みて、有利不利の判定が必要となってきます。