2021年 10月01日
秋になる頃、パートやアルバイトなどで働く方は、「年収はいくらまでに抑えるのがよいか?」と扶養の範囲を意識することも多いでしょう。税制上と社会保険上の両方に扶養範囲の壁がありますが、夫が会社員で主たる生計者年収600万円、妻パートのケースで考えてみましょう。
税制上の壁としては年100万円を超える収入があると住民税の課税が始まり、103万円を超えると所得税が発生します。
妻の所得税は配偶者特別控除で年収が150万円までは減額されず、150万円を超えると控除が徐々に減額されていきます。そして201.6万円以上で配偶者特別控除はなくなります。
社会保険の壁としては妻が社会保険上の被扶養者ならば社会保険料は収めずに夫の加入している健康保険を受けられ、年金も国民年金の3号被保険者で基礎年金に加入していることになります。
しかし、妻が月8.8万円(年収106万円)となると妻自身が勤め先の社会保険に加入することになります。ただし条件があり
① 従業員数501人以上事業所
② 雇用期間1年以上(見込み含む)
③ 週20時間以上勤務
④ 学生ではない
の条件が付いています。2022年10月からは従業員数の条件が101人以上、2024年からは51人以上になる予定です。
さらに年収が130万円以上になると、前の条件にかかわりなく妻自身が社会保険に加入することになります。
扶養の範囲にするかライフタイルで考える
税制上の扶養を少し外れても、社会保険の扶養を外れることと比べれば金銭的負担はずっと少ないと言えます。
社会保険は加入すれば病気の時の傷病手当金や出産する際は手当金が受けられます。年金も長生きすることが多い女性は妻自身の年金額が増えることは心強いでしょう。
壁を超えるのは損という考えでいくか、収入を増やさなければ手取りも増えないので税金や社保料を負担しても収入を増やそうとするとするか、家族や会社とも話し合いをしての選択でしょう。