副業・兼業における労働時間管理

2021年 09月03日

副業・兼業をする雇用者が増加

 厚生労働省は2018年1月以降、「モデル就業規則」に「副業・兼業」という章を追加し、副業・兼業を原則容認する内容に変更しています。
厚生労働省によれば、副業を希望する雇用者数(雇用者に占める割合)は、1992年の235万人(4.5%)から2017年385万人(6.5%)へ右肩上がりで伸びており、副業雇用者数も、1992年の76万人から2017年には129万人へ増えています。

労働基準法改正による労働時間管理

 中小企業には2020年4月(大企業は2019年4月)から、時間外労働の上限規制(罰則あり)が適用されています。
36協定による原則の上限時間(月45時間、年360時間)を超える場合は、36協定で特別条項を締結することにより、月100時間未満、2~6月平均80時間以下、年720時間以下までの時間外労働が認められます。
労働基準法38条1項では、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、(中略)通算する」としており、事業主(会社)が異なる場合でも通算されます。
なお、労働基準法上の労働者でない場合(フリー、独立・起業、共同経営など)や、労働時間規制が適用されない場合(農業・畜産業・水産業、管理監督者など)は、労働時間を通算する必要はありません。

副業・兼業での労働時間管理

 副業・兼業における原則的な労働時間管理のポイントは雇用契約を結んだ順番です。
 例えば、A社(1日5時間、残業なし)で雇用されている労働者が、新たにB社(1日3時間、残業2時間)で雇用された場合、1日のうち、B社で勤務後にA社で勤務したとしても、後で雇用契約を結んだB社の2時間が時間外労働となります。
 なお、副業・兼業開始前に両社の合計所定労働時間を法定内で設定する「管理モデル」を導入した場合は、法定労働時間を超えた時間に働いている会社で割増賃金が発生することになります。