2021年 08月17日
厚生労働省は夫婦共同扶養(いわゆる共働き世帯)における被扶養者の新認定基準を公表しました。
従前の取り扱いでは夫婦共同扶養において子供などを健康保険上の被保険者とする場合には、年間収入(当該被扶養者届が提出された日の属する年の前年分の収入)の多い方の被扶養者とすることが原則となっていました。
この度、年収がほぼ同じ夫婦の子について保険者間(それぞれの健保組合)いずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態になるのを避けるため、新たに基準が設けられました。
① 被扶養者とすべきものの員数にかかわらず被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする)が多い方の被扶養者とする。
② 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は被扶養者の地位の安定を図るため届け出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。
③ 夫婦双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべきものに係る扶養手当又はこれに相当する手当の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。なお扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由として認定しないことはできない。
④ 被扶養者として認定しない保険者は当該決定に係る通知を出し、その理由、標準報酬等を記載し通知する。
⑤ ④により不認定に係る通知を出した保険者と次に届け出された保険者との間で協議を行い、協議が整わない時は初めに届け出を受理した時点の標準報酬の高い方の被扶養者とする。標準報酬が同額であれば主として生計を維持する者の被扶養者とする。
⑥ 夫婦の年間収入に係る添付書類は保険者判断として差し支えない。
以上のように、過去の収入だけでなく過去現在、将来の収入も見越して扶養の判断がなされることになりました。