事業承継コラム

遺言書は作成した方がいいのでしょうか?

2019年12月25日


遺言書は作成した方がいいのでしょうか?
作成した場合には遺言書通りに遺産は相続されるんでしょうか?

 


事業承継に当たって遺言書が活用される場面は多くあります。

遺言書を作成するメリットとしては被相続人が自分の財産を相続させることにつき自らの意思を反映させることができるので,相続人の負担を減らすことができるということがあります。
なぜなら遺言書がない場合には相続人全員で,誰に何をどの割合で相続させるか話し合う,いわゆる遺産分割協議を行う必要があるからです。
この遺産分割協議は相続人同士が揉めることが少なくありません。
きちんとした遺言書を作成しておくことで上記のような残されたご遺族の負担を減らすことができます。
家族構成等によっては特に作成をしておいた方が良い場合もあります。

例えば子供がいない夫婦で、配偶者と共に、親か兄弟姉妹か甥・姪が相続人になる場合

親が亡くなっていた場合でさらには兄弟姉妹が亡くなっていた場合には代襲相続で疎遠な甥・姪が相続人になる場合があります。
この場合に相続させたくなければ遺言書で配偶者に全て相続させるとしておけば甥や姪が相続することはありません。
遺留分についても甥・姪にはありませんので文句も言えません。
仮に遺言書がなければ甥・姪と遺産分割についての協議が必要になることになってしまうため通常は遺言書を作成しておくべきです。

なお,相続人全員が同意すれば 遺言書と異なる分割をすることも可能です。
また,遺留分という,遺言書の内容と関わらず一定の相続人が最低限相続できる財産があります。
そのため必ずしも遺言書通りに資産が相続されるとは限りません。